昨日の夜

駅前 TSUTAYAさんで 僕はビートルズを借りた (ロックンロールは鳴り止まないっ/神聖かまってちゃん

 

ハダカハレンチ第4回本公演『ハッカ』全ステージ終演しました。キャスト、スタッフ、そしてご来場いただきました皆様本当にありがとうございました。

 

遅筆の劇作家を巡る話でした。私は書く側ではないけれど遅筆の作家には割と心当たりがあって、そういう人たちってどうにも嫌いになれないところがあるなあと思いながら稽古をしていました。

御多分に洩れず岡本セキユさんもそうでした。早稲田に通っていた頃から遅筆の噂は(一度も言葉を交わしたことのない)私の耳にも届くほどでしたが、実際驚くほど進まない、いや、劇中のセリフを借りるなら書けば書くほど減っていく。

「面白くなかったら絶対許せないけど面白いから何も言えないです」みたいな話を誰かとしたんですけど、あれ誰だったかな。でもそういうことです。どれだけ遅くても、どれだけ減っても、新しい台本が来るたびにワクワクしてしまうのは、多分好きだからだと思います。今回の作品は題材が題材なのでこういうことを言うのが本当に嫌なんですけれども。Twitterに何度「セキユさんの言葉が好き」みたいな文を書いて消したか分かりません。こっちが勝手に愛さざるを得ない感じもムカつくところではあります。

 

共演者の皆さんも本当に優しい方ばかりでした。演技プランの参考になりそうな作品を教えてくれたり、やたら顔を褒めてくれたり、セリフの言い方を丁寧に考えてくれたり。小屋入りしてから声帯結節が出来ていると分かって落ち込む私にスロートティーとハチミツをくれたり、漢方をくれたり、マヌカハニーをくれたり。弱みでも握られているのかと思うくらい優しくて、なのに自分がベストコンディションで臨めないのが悔しくて、毎日そそくさと劇場を後にしては電車の中で泣いていました。

優しいと言えば音響の深澤さんもすごく優しかったです。毎日ピンマイクをつけるときに「芝居はすごくかっこいいですよ」「声、すごく出てますよ」って言ってくれて、うっかり好きになりそうでした。オペを増やしてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

今回演じた川崎砂子については、新しい挑戦だったと思います。セキユさんが私に抱いていたイメージが(多分制服の方の)砂子だと稽古初期に聞いていました。「みくにちゃんは○○だと思ってたけど△△だった」という構文をセキユさんの口から何度聞いたか分かりませんが、○○の部分は大抵悪口っぽかったです。クールな、斜に構えた、思わせぶりな、そういうイメージから出来ている制服姿の砂子と、普段はやらない大人っぽい雰囲気のオフィ砂子(私しか呼んでなかった)とのギャップがすごく楽しかったです。声が出なかったのでラストシーンは芝居をしているんだか絶叫しているんだかよく分からなくなってました。全ては結節のせいです。

オフィ砂子は意外にもお客様に気に入っていただけているようでこっそりにこにこしています。セキユさんが奈良県出身なのでセリフは関西弁ですが、私のアクセントは関西弁とは全然違ってました。すいません。あれはエセ関西弁です。オフィ砂子はお笑い好きでプライベートではいつもヘッドホンで漫才を聴いているという設定がありましたので、エセ関西弁でも許されるかなと思いあえて適当にやっていました。

 

 

ただでさえ演出家の求めるもの、もしくはそれを超えるものが出せていないのに体調まで崩してしまって、私としては全然満足は出来ていないのですけれど、それでも評価していただけることはありがたく思います。でもとにかく悔しい!打ち上げで悔しくて泣いてたら「もっとスカした奴だと思ってたけどひたすら真っ直ぐな人だった」とセキユさんに言われました。私の第一印象は道明寺司よりも悪そうだなと思ったら涙は引っ込みました。最近花より男子を読んでいますが、道明寺のことがぜんぜん好きになれません。

 

全然いいこと書く気がないのでくだらない話で終わってしまいました。演劇なんかやらなくても死なないけれど、やっぱり死ぬまで演劇やってたいなって思います。

 

そんなこんなでプレイリストにビートルズが増えたこと以外はいつもと変わらない生活に戻ります。声帯結節、早く治りますように。またね。

 

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川崎砂子役 井本みくに