僕は君じゃないし 君は僕じゃないから


学校帰りに買い食いをしないこと、髪の毛を染めないこと、冬場の登校で制服の下にジャージを履かないこと、真面目に授業を受けること、いい成績を取ること、いい大学に行くこと、いい会社に就職すること、いい人といい恋愛をして、いい家庭を築くこと、善い人間でいること。

果たしてその“いい”ってなんだ?って、考えることもせずに、模範的な人間であることが正しいと思っていた時期があった。


引っ込み思案で人見知りなわたしが舞台に立ちはじめて、もう3年も経つ。
3年前となにも変わらないつもりでいたけれど、私のことを知っているひとが少し増えたのだな、と最近思った。


必ずしもいいことではなかった。
バイト前に風邪薬が欲しいとツイートした時に「差し入れ目当てで演劇をしているのか」と言われたことがあった。
質問箱に不快な質問が来ることがあった。

いろんな誤解やすれ違いがあっただけできっと悪気はないのだと思うけれど、そういうコメントに対して穏やかに対応できるほど出来た人間ではなくて。

規模の大小に関わらず人前に立つのだから善い人間であるべきなのだろうけれど、そういう出来た人間が好まれるのだろうけれど、わたしは嘘をついてまで善人でありたいとは思わない、というか嘘をついたら善人ではないだろうと屁理屈をこねたりして。


疲れてシャワーを浴びずに寝てしまうこともあるし、ごはんを食べる気にならない日はグミを食べて済ませるし、ベッドの上でポテチを食べるし、眠いからと大学をサボることもある、普通の、どこにでもいる22歳の大学生であることを隠すのが正しいあり方なのだとしたら、正しくなんてなくていい。

はじめから清く正しく美しくなんてないのだから、汚れても間違っても醜くてもわたしはわたしなのだから。

わたしを肯定しろとは言わない。
ただ、過ちを正すための意見と一方的な嫌悪とを同列に扱うことはしない。

気に入らなければ目に付かないようにしてください。
演劇もSNSも人生も、誰かと喧嘩をするためにやっているわけではないので。


差し入れ目当て、という言葉を使ったひとに去年もらったTシャツに袖を通して、ふとそんなことを思った。大した話ではない。