客席はガラガラのまま また次の幕が上がる

あなたを笑わせたいんだ 歯の浮くような台詞を並べて(漂流劇団/ズーカラデル)

 

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世界一大好きな劇団guizillenの特別本公演『5さい』の幕が上がりました。オープニングセレモニーのみの出演でしたが、一夜限りの伝説の公演を支えてくださった全ての方に厚く御礼申し上げます。

柴田夫妻の結婚式三次会、女の子とふりかえるギジレンの歴史(通称おふれん)、劇団員退団の謎解明、2.5ジレンデビュー、ギジレンガールズ顔見せと盛り沢山な3時間でした。

おふれんでは佐藤たつみ役として1〜10llenを振り返った訳ですが、私が初めてguizillenを観たのは6llenの『在り処』でした。俺は土木座を観ていない。

『在り処』の興奮冷めやらぬままオーディションを受けて8llen『ギジレン歌劇団』に出演し(ちなみに8llenはおふれんにて歴史の闇に葬り去られました)9llen『楽園』を観劇、10llen『センチメンタル・ジャーニーズ』ゲストを経て今回となります。

10本のうちたった4本しか知らない私が語るギジレンの歴史、果たして受け入れてもらえるものかとヒヤヒヤしながら本番を迎えました。ぶっちゃけ3llenの『真鍮の月』とかはOPで使ったセリフしか知りません。

思うに主宰の辰海さんは本物の天才でして、付け焼き刃の天才ムーブメントでは到底再現できないような方なので配役を知った時は絶望しました。顔が似ている末安リコを演るものと勝手に思い込んでいたのもあります。

オープニングのみの出演は柴田淳さんと門田ゆうき役のうりちゃんと私のたった3人なので配役で花を持たせていただいたという感じではありますが、セリフは多いわハケないわ天才の役だわでずーっとプレッシャーを感じていました。

「出来ることなら、目から涙がこぼれたってセリフで泣いてください」と言われた時はまじかよと思いました。架空の飼い犬(日本スピッツのこまちちゃん)が死んでしまうことを想像してみたり、フランダースの犬を思い出してみたりしましたが一度も泣けませんでした。ちなみに本番は奇跡的に涙が出ました。

噛むわ声枯らすわ立ち位置間違えるわでしっかり凡人ぶりを見せつけてしまったけれど、たくさん褒めていただけて、ギジレンがたくさんの人に愛されていることを肌で感じられて幸せでした。ギジレンで芝居が上手いと言われる日が来るとは思わなかった。全ては真の総帥佐藤辰海の掌の上……。

何はさておき、5周年の幕開けを汗とよだれと涙と鼻水に塗れながら迎えられたことを本当に嬉しく思います。バカバカしくてくだらなくて、何故か元気をもらえるギジレンが本当に大好きです。

 

そしてそして、まだまだギジレン5さいは続きます。

○12/13-12/22 『ギジレン島最後の七日間(A・Bチーム)』

○12/23-12/24 モノローグ演劇祭 決勝

○12/27-12/30 佐藤辰海演劇祭2019

○12/31-1/1 年越しまつり

○1/3-1/6 『土木座』

なんとあと1,000席余っています。3,000人呼んでプラマイゼロなのに……。愛してやまないギジレンがこの先も続いていくために、どうかご予約をお願いいたします。新作の島・再演の土木座はもちろんのこと、年越しは幻の問題作『ギジレン歌劇団』をみんなで作れるし、モノローグ演劇祭はたった5分のモノローグの頂点を競うイベントだし、佐藤辰海演劇祭には井本が出ます。客席をガラガラになんてしないぞ。

ギジレン5さい 特設ページ

 ギジレン5さい 予約フォーム

 

P.S. ギジレンで本当の自分を知りました。みんなありがとう。どんみくは永遠。

 

佐藤たつみ役 392人の人格を持つ岐阜のオオカミ少女、井本みくにより

「私、あなたに救われてばかりだ。」

そう言うとあなたは

「救われているのは僕の方だ。」

なんて言うんでしょ(あなたと、/Shout it Out)

 

 

えーと、拝啓 宮下真実様

 

大分前の話になるけれど、今年も素敵な誕生日おめでとうのブログをありがとう。とっても嬉しかったです。

今年はプレゼントを用意するからブログはなしだと言ったけれど、やっぱりお祝いしたくなったのでこうしてブログを書いています。

 

出会ってからもう2年半も経つんだね。わたしはあんまり友達を作るのが上手くなくて、どんちゃんみたいに仲良くしてくれる人ってそんなにいな、いや、いる、いますけど、やっぱり仲良しの度合いが違くて。

 

他の人と一緒に銭湯に行くこともなければ偶然シャンプーやファンデがお揃いなこともないし、みんなの右手の中指の下にはホクロがないんです。

 

誕生日にする話かと言われたら違う気もするけれど、私たちは表に立つ以上いろんなことを言われるじゃないですか。ビジネス百合だの、どんみくのどっちがどうだの。

演者同士が仲良くしていると「仲良しごっこ」なんて言われることもある世の中ですけど、こんなブログを書いてるくらいには私の中であなたが占める面積は大きいものでして、だから、あなたに関しては誰がなんと言おうとこの先も変わらず名前を出しちゃうし、好きって言っちゃうし、会ったら抱きしめてしまうと思います。

 

私とあなたは全然違うけど、だからこそ愛おしく思います。役者としても全くタイプが違うけれど、私は同族嫌悪が激しいので違っていてよかったと思います。どんは時々「みくにんは芝居を褒められてるのに私は云々」と言っているけれど、得意分野が違うだけだから気に病むことなんてないんだよ。どんに出来て私に出来ない事がたくさんたくさんあるよ。私はあなたに嫉妬してばかりいるよ。

大好きだと公言していた劇団に入団して、沢山の人に愛されて、先に行ってしまう気がして本当はすごく嫌だよ。置いていかれるのが悔しいんだよ。ダンスも大学もダイエットも私よりずっと頑張っていて焦るよ。頑張り屋さんで不器用で真っ直ぐなところが眩しくて、どうしたって日陰者の自分と比べては僻んでしまうよ。実はどんに負けたくなくて頑張っていたりもするんだよ。

 

本当のことを言えば、他の誰にも埋められない場所でありたい。お母さんも恋人も友達も推しも敵わないような特別な好きが欲しい。私にしか見せない顔をたくさん見たい。他の女とどれだけイチャイチャしたっていいからさ、時々帰っておいでよ。

 

大好きな友達でありいつか勝ちたいと思うライバルでもあり、愛憎入り混じった感情ではありますが、誕生日だけは私の方が絶対一生先だからね。年上だからね。そこだけは勝ってるから。

なんつって。なんだかんだで結局好きです。散々言葉にしてきたから今更言うこともないのだけど、いつもあなたの幸せを祈っています。

 

おいしいものを食べて、好きな人たちと沢山の時間を過ごして、演劇を楽しんで、幸せだって笑顔で言える一年を過ごしてください。

この先も沢山の良いことが起こりますように。二十三歳の誕生日おめでとう。愛しています。

 

井本みくにより

 

ハロー、絶望

その足でちゃんと立ってるかい?

無理にでたらめにしなくてもいいんだぜ

僕らに足りないのはいつだって

才能じゃなくて愛情なんだけどな(ヤングアダルト/マカロニえんぴつ)

 

こんばんは。

ハイバネカナタ『モザンビークス熱情!』の幕が上がりました。これを書いているのは深夜2時、日付変わって3日目となりました。

 

演劇を始めて3年経ちますが、幕が開けてからの体感速度の速さには毎回驚きます。あっという間に千秋楽を迎えるのか〜。

普段は(死ぬほど疲れているので)公演期間中はブログを更新しないのですが、今日はなんでか元気もりもりなので更新してみます。

 

モザンビークス熱情!』は、ヒーローサークル「極東支部」の面々がひょんなことから中東へ行きなんやかんやするお話です。18人も出るのですが、がんばって出演者の紹介をします。

 

 

・一文字トオル役 広野健至さん

我らが主人公・一文字トオル役の広野さん。演劇を好きになったきっかけである俳優・小須田康人さんにちょっと顔が似ています。お家が遠いのであんまりじっくりと喋ったことはないのですが、なんとなく芯の強さを感じます。私にだけやたら当たりが強いのですが、広野さんが飲み会で楽しそうにしているのを見るとなんだか笑顔になってしまいます。憎めないとはこういう人のことを言うのかもしれません。

 

・風見ジュンノスケ役 飯智一達さん

下手したら主役はこの人なんじゃないか?というくらいかっこよくて大好きなシーンがあります、いいともさんことめしともさん。早稲田大学の先輩でもあります。背が高くてとっても舞台映えします。ご本人の穏やかな雰囲気がとても魅力的で、他のお芝居も観てみたいなあと思っています。たまに猛烈に毒を吐く(ワルともさんと呼んでいます)ので、本当は嫌われてるんじゃないかと怯えています。

 

・神ノリピコ役 見米克之さん

「極東支部」の癒し系、神ノリピコです。柔らかい雰囲気をしているのに根がものすごく真面目なところが素敵です。演劇も、所属しておられる劇団ミックスドッグスさんのことも大好きなのが伝わってきます。小屋入りしてから急激に仲良くなった気がする。また共演したいって既に話してるくらい大好き。お口の形がかんわいい〜。あと井本のことを褒めてくれます。そういう人は大体いい人なんですよ。

 

・一文字タイスケ役 船戸慎士さん

主人公トオルの父・タイスケを演じる船戸さんは今回最年長(ですよね?)ということもあり、なんだか本当にお父さんみたいな方です。ハイバネカナタさんにも何度か出ていらっしゃるということで、直接言葉を交わすシーンがなくとも頼ってしまいます。演出の服部さんに諭すようにツッコむ船戸さんはとっても面白いのですが、今回そんなシーンはありませんでした。無念です。

 

・一文字リンコ役 椎名実乃里さん

タイスケの妻リンコを演じるのは、笑顔がかわいい椎名さん。主人公トオルの年下の母親です。私だったら嫌だな…と思っています。実乃里さんは楽屋がお隣なのでたくさん話しかけてしまいます。逆の立場だったら絶対に嫌です。どんな話でも聞いてくれるし、飲み会に滅多に来ないのに私が誘ったらきてくれるんです。好きになりそう。声がかわいい。

 

・山中カズミ役 中村賢人さん

トオルの会社の同僚・山中カズミ役のけんとくんは、お顔も声も甘いチワワ系イケメンです。前髪を下ろすとやたらセクシー。演じる山中も犬か猫かで言うと犬っぽいです。けんとくんもとっても真面目で演劇に真摯なので頼り甲斐があります。

 

・清水チヒロ役 大橋純七さん

おおはし!我らが大橋です。最多共演記録保持者にして、今回私が出演するきっかけにもなったのが大橋です。動物電気さんへの入団おめでとう!演じるのはトオルの同僚にして会社のアイドル清水チヒロ、なのですがそこは安心と信頼の大橋、アイドルだろうがなんだろうがとにかく顔面がうるさいです。1年前に地下アイドルの役で共演した時も大橋の顔面はうるさかったです。でも私は大橋が大好きなので、「あのシーンの大橋の顔大好きなのに客席から見えないのは勿体ない」と事あるごとに言っています。普段なら私たちの配役は逆かもしれない、4度目だけれどなんだか新鮮な気持ちです。舞台上で大橋と絡むことはないです。

 

・ゼダ役 白井更紗さん

ここから中東の人々です。私は今回最年少なのですが、同い年の大橋を除くと1番歳が近いのが更紗ちゃんです。決して器用ではないのだけれど、どれだけ厳しい環境でもへこたれない根性と真面目さが素敵です。ちょっと天然なので真面目さが空回ってしまう日もあるけれど、その分真摯さがカッチリはまった時には(板の上でなくても)心を揺さぶられます。かわいい。ゼダは繊細さを必死に隠して強く生きているキャラクターで、その脆さ危うさが自分と重なる瞬間が何度かあります。

 

・マルジ役 升ノゾミさん

シーナ教なる宗教の司祭代理です。小柄な身体から生まれる感情表現の豊かさが本当に素敵です。何度見ても泣いてしまうシーンがあって、毎日毎日助けられているなぁと感じます。とてもかわいいです。升さんもまたハイバネカナタさんに何度も出ているので、勝手知ったるとでもいうのか、こう、理解が早くて楽しみ方を分かっている感じがします。いいなあ。かわいいなあ。

 

・ザザ役 山本偉地位さん

いちいさんって読むんですよ。何故かお名前を見るたびラモス瑠偉を思い出します。基本的にはちょっとふざけているザザですが、とあるシーンでの表情があまりにも繊細でいつもいつも胸を打たれます。すごいの一言に尽きます。あれはどうやって演じているんだろう。

 

・GG役 ムトコウヨウさん

ここ数週間でみるみる太ったムトさん。見た目はとっても怖いのに声も演技も可愛いという謎のギャップがあります。なんか、好きとか嫌いとかじゃなくクセになるスルメみたいな人です。時々見せる気遣いが素敵。GGはザザと一緒にワチャワチャしてることが多くて、とても微笑ましいというか愛されるキャラクターなんじゃないかと思います。

 

・グスタフ役 平田耕太郎さん

誰かに似ているのですが全然思い出せないまま公演が始まってしまいました。笑い方が独特なのでどこにいてもすぐに分かります。音にするとドゥヒヒヒヒ、みたいな……。その独特な笑い方がグスタフに合ってるんじゃないかと勝手に思っています。こんなこと書いて怒られないかしら。井本に優しいのですごくいい人です。早稲田の先輩ですが卒業はしていないとのことです。

 

・ジョンジョン役 森耕作さん

森さんのお芝居は真似しろと言われても絶対に出来ない個性があります。天才だと思います。私が森さんみたいなお芝居出来たらもっと天狗になってしまいそうなのに、とても真面目で謙虚なのがまた憎いです。たまにものすごい勢いで毒を吐くのですが、そういう時の森さんはメッチャ楽しそうです。出身地がわりと近いです。かわいいコンビニ店員飯田さんから3ヶ月、今回はたくさんお話できて嬉しいです。

 

ミネソタ役 あさぬま美輝さん

はい好き〜。小柄で表情豊かで、なんだか着ぐるみみたいな俳優さんです。あさぬまさん着ぐるみ説をずっと提唱しています。オモシロの才能があるなあと思います。お疲れのところ話しかけてもニコニコと対応してくださる大人の女性っぷり。しかしながら昨日は11月の寒空の下で信じられないくらいの薄着だったので、恐らくあさぬまさんには季節感がないです。

 

・いっぱいやってる 佐野晋平さん

どの役を紹介したらいいのかわかりません。1人だけ衣装の量が尋常じゃないです。本番中にすれ違うといつも着替えている気がします。どれもこれもネジが外れた役ばかりですが、裏で声を聞いているだけでも楽しいです。佐野さんに出される「野田秀樹がどっかいっちゃってるよ」というダメ出しが死ぬほど好きなのですが、文章ではこのオモシロは伝わらない気もします。

 

・ラウア/高田サキ役 小島有紀子さん

同じシーンに出ることはほぼありませんが、全員を巻き込んでしっちゃかめっちゃかにして嵐のように去っていく、といったイメージがあります。私とは全くタイプの異なるお芝居をされるので、そのエネルギーに圧倒されてばかりです。劇団員ということもあり、ハイバネカナタさんの事を熟知しておられます。ていうか、ハイバネカナタのオモシロって9割くらい小島さんなんじゃないかと思います。恐ろしい。

 

・アリダ役 服部紘二さん

我らが服部さんです。本当はゴーストライターがいるのかと疑うくらい、脚本を読んだ時と稽古で作品の印象が変わりました。演出でキャラクターに色をつけるのがお上手です。言語感覚が比較的似ているので演出が分かりやすくて助かります……が、実際にやってみるとめちゃくちゃ難しい事を求めてきます。鬼。お芝居の鬼。私にとっては生まれて初めて稽古場で泣かされた演出家でもあります。服部さんの作品はとても面白いので大好きです。なんだろな、畳み掛けるような文章での言葉遣いがちょっと似ている……気がしています。出番が終わってからしきりに眉毛を気にしていました。どうして?お顔が好きです。

 

 

ハイバネカナタさんのオモシロはアドリブやハプニング重視と思われることが多いんじゃないかと思いますが、私は根底に流れる物語の部分も大好きです。アドリブ下手くそ芸人なのでそういうのは諦めて、乱発するハプニングで緩んだ空気をキュッと締め直すような、そんな立ち位置を目指しています。少しは出来ているんだろうか。

 

演出からの指示にうまく応えられず、下手だなあ下手だなあと悩みながらも精一杯もがいています。幕が開けてからも試行錯誤を繰り返す日々です。才能なんてないけれど、愛情だけはしっかり抱えて臨みます。公演はあと3日で終わってしまいますが、よろしければぜひお越しくださいませ。

正解は要らないよもう

はみ出す不器用で戦わないと(ハートロッカー/マカロニえんぴつ)

 

 

本番前はカニカマが主食、井本みくにです。

ハイバネカナタ第16回公演『モザンビークス熱情!』、遂に稽古最終日を迎えました。

永久に続く気がしていても終わるもんですね。演劇は終わりがあるから好きだし嫌いです。

 

私たちは日々自分の本音を隠して生きているわけで、感情をさらけ出すことを求められるハイバネカナタさんの稽古は私にとって本当に難しいのです。

どうしたって嘘をついてしまう。自分を守るために、本当に柔らかい部分には触れられないよう振る舞っている。

そんな当たり前のことに改めて気づきました。 

 

今日の稽古で演出の服部さんから掛けられた「自己嫌悪に陥らなくていいんだよ」という言葉がものすごく苦しくて、涙が溢れました。共演者の見米さんに変顔をしていると思われたり、大橋純七ちゃんに「これで年少者3人が全員稽古場で泣いた」と声をかけられたことで涙は止まりました。

 

薄皮一枚被って戯けて生きている自覚はあるのだけど、子供のままの自分を抱えているのだと突きつけられた気分です。

誰だってきっとそうなんだろうな。赤子のような繊細さを何重にも包んで身を守っている。

 

今回演じる役にも通じることなのですが、負けた自分を認めることで人は成長していくのだと思います。

私はなまじ勉強ができたもので、昔から完璧であることに執着していました。

小学二年生の時、たった一問間違えたテストを親に見られるのが恥ずかしくてゴミ箱に捨てました。

高校生の時、下のクラスに入れられたのが嫌で夏期講習をサボって本屋に通って、最後のテストで1位を取って辞めました。

第一志望の早稲田大学に行くのなら願書を出した全ての大学に合格しろと言われて、独力で早稲田大学に行きました。

 

演劇においても、評価されることの方が多かった気がします。

演劇部では顧問と講師の先生に「大事な役は君に任せたい」「君がいたからこの脚本を選んだ」と言われたり、尊敬する先生に「君の才能を活かしたいなら東京でも演劇を続けた方がいい」と言われたりすることに喜びを感じていました。

裏を返せば、完璧でなければ、才能がなければ自分には価値がないと思っていたのかもしれません。

 

23年目にしてようやく、自分が不完全であるということを認める機会を得られた気がします。不完全な自分が許せなくて自罰的になっていたけれど、それも含めて自分の個性なのだと初めて思いました。言い訳のように感じてしまうから、個性という言葉は嫌いだったのだけれど。

 

稽古はもう終わりますが、はみ出す不器用を武器に赤子のまま臨みます。お世辞抜きに、本当に素敵な作品だと思います。観ていただけたら嬉しいです。

 

 

会社でも家でも居場所を見つけられず一文字トオルは悶々としていた。そんな彼の唯一心休まる場所、それがヒーロー同好会「極東支部」である。仲間とともに大好きなヒーローを語り楽しい時間を過ごす日々。

だが、そこに謎の男アリダがやってきて状況は一変!気づけば彼の故郷へ。
そこでトオルと仲間たちは、思わぬ現実を目の当たりにする…。


ハイバネカナタ#16
モザンビークス熱情!』
作・演出 服部紘二

 

10月31日(木)19:00❤️
11月1日(金)19:00
2日(土)14:00/19:00
3日(日)13:00/18:00
4日(月・祝)17:00
@シアター711

 

前売り3,500円/当日3,800円
学割1,500円
❤️(10/31のみ)レディース割2,800円

ご予約 https://www.quartet-online.net/ticket/haibane_moza?m=0dhaehj

 

必死に生きるのは得てして無様だから

人に笑われても気にすんな(あんたへ/amazarashi)

 

みなさんこんばんは。出演舞台『モザンビークス熱情!』初日まであと10日、井本みくにです。

なんだか眠れない日々が続きます。

共演者の皆様と過去公演のDVDを観て夜が明けた日もありましたが、昨日今日は少し違う理由でして。昨日は初通し、最初から最後まで通して稽古しました。

改めて感じましたが本当にすごく面白い台本だと思います。上演することで面白さが分かる、劇場でやる意味のある作品です。

だからこそもどかしい。昨日の井本は周囲に負けないように声を張り上げるばかりで、終わった後は足が震え声が枯れテイクアウトしたハンバーガーも食べられない有様でした。

今回最年少ということで、経験も浅いし技術もないしで迷惑をかけてしまっていることを痛感しています。そんでも(私がど下手くそというのもあり)ひとりで必死になってもいいものにはならないのだなあと思いました。

全員がしっかりと空気を共有すること、パスを回していくことの重要性にぶつかっています。私はどちらかといえばひとりで考えて芝居を練るタイプなので、あと嫌われるのが怖いので、あんまりこう……他人の芝居に対して口を出したりはしないんですけれども、今回ばかりはもっと助けてほしいなあと感じたり。生意気ですいません。どうにかできるほどの技術はないので、助けてもらわないと上手くできないんです。

 

いや、言い訳だなこれは。頑張ります。考えて考えて汗かいて、精一杯生き抜きます。若輩者なりに戦うので一緒に戦ってもらいたいです。お客様も含めて、みなさんの支えを受けて良いものをお見せします。頑張ろう。私の熱に当てられてどうにかなってしまうくらいに頑張ろう。

 

稽古が好きです。稽古がというか演劇が好きです。だからこそ舞台上で生きている姿を見せたいし見たいし、それに手が届かないことが悔しくて仕方がないです。絶対に負けないので、ホント、こんなことお願いしてすいません、観に来てください。

モザンビークス熱情!』に出てくる人々は泥臭くてダサくて情けなくて、でも笑っちゃうくらいに真剣に生きています。私も、下手くそなりに生き抜きます。中身のない文章ですみません。ではまた。

 

会社でも家でも居場所を見つけられず一文字トオルは悶々としていた。そんな彼の唯一心休まる場所、それがヒーロー同好会「極東支部」である。仲間とともに大好きなヒーローを語り楽しい時間を過ごす日々。

 


だが、そこに謎の男アリダがやってきて状況は一変!気づけば彼の故郷へ。

そこでトオルと仲間たちは、思わぬ現実を目の当たりにする…。

 

 

 

ハイバネカナタ#16

モザンビークス熱情!』

作・演出服部紘二

 


10月31日(木)19:00❤️

11月1日(金)19:00🍺

2日(土)14:00/19:00

3日(日)13:00/18:00

4日(月・祝)17:00

@シアター711

 


前売り3,500円/当日3,800円

学割1,500円

❤️(10/31のみ)レディース割2,800円

🍺ハイカイの宴(終演後アフターパーティ)7,500円

 


ご予約(井本扱い) https://www.quartet-online.net/ticket/haibane_moza?m=0dhaehj

 

 

 

 

俺も孫にこう言うよ

そいつに何の才能もなかったとして なのに音楽の夢なんか追っかけてしまったとして そろそろ業界もやばそうだからさ 『素敵なミュージシャンになれよ!』(ENOUGH-1/UVERworld

 

特に理由はないけど今日もブログを更新するぜ!

いつだったか忘れたけど、「最近何してるの?」と聞かれてバイトをしていることを伝えたら「え?演劇だけで食べていけてるんじゃないの?」と返ってきた。

演劇人の知り合いばかり増えていく身としてはその、非・演劇人?何と呼ぶべきかわからないけど、まあとにかくそういった人々のイメージと私の直面している現実とのギャップにかなり衝撃を受けた。

 

私は基本的に週5日、10時から19時で勤務して、週に1回くらいバーで働いて生計を立てている。稽古がある日は仕事終わりの19時〜20時ごろ稽古に合流して22時まで稽古をしているし、バーの日は仕事が終わった後20時から働いている。9時に家を出て23時に帰れる日はかなり運のいい日で、掛け持ちの日は9時に家を出て帰宅するのは翌朝7時なんてこともある。8時間オフィスワークをした後に9時間立ち仕事という恐ろしいスケジューリングが週に1度は必ずやってくる。

 

それでも毎月手元に来るお金は大した額にはならない。

欲しい服も飲み会もディズニーランドも我慢して、ひたすら働いて演劇をする。その繰り返しだ。家賃に水道光熱費に年金に奨学金に、出て行くあてだけはしっかりある。給料日が来るたびに次の給料日を逆算して予算を組む。

 

決して夢いっぱいの世界なんかではない(私だけかもしれないけど)。

恥ずかしながら、自分では買えない分は時々ほしい物リストだったり差し入れだったりでいただいている。演劇でも多少お金は入るけど、呼べるお客様が少ないもので十分な収入源とは言い難い。収入として計算に入れられる様な仕事はフリーだと安定して入ってこないし。

 

まあだから、例えば友達や弟が仕事として演劇を始めたいと言い出したらちょっと苦い顔をしてしまうと思う。虚弱な人間には向いていないとも思う。私は虚弱よりの人間なので頻繁に体調を崩している。一日中、食事を取っていないのに嘔吐が止まらない日もあった。吐き気を堪えて仕事をして、そのままオーディションに行った。つらいなあと時々思う。今日、軽減税率が適用されるからとテイクアウトした飲み物にストローがついていなかった。小さな絶望が積み重なって、嫌になる日が時々ある。

こんな生活が待っているとわかっていたら、演劇なんて始めていなかったかもしれない。小さな小さな絶望に躓き続けて、気がついたら膝から血を流している。

 

そんでも演劇は楽しい。少なかろうが何だろうが応援してくれる人がいて、仕事をくれる人がいて、それがたまらなく嬉しい。だから例えば友達が演劇を始めたいと言い出したら、ちょっと苦い顔をしながら歓迎するのだと思う。

私のやっていることは趣味の範疇を出ないかもしれないけど、それ自体に絶望しているわけではないので。

 

でもみんながバーに飲みに来てくれたりお芝居を観に来てくれたりするとお金が増えるので、とっても嬉しい。たくさんの人が来てくれたらバイトに入る日数が1日減らせるかもしれない。その1日をオーディションやレッスンやディズニーランドに充てられるかもしれない。

 

 

てなわけで明日は下北沢はすずなり横丁にあるバー「バッキンガム宮殿」で20時〜朝まで週1店長デビューだぜ。17時間働くんだぜ。みんなが飲んだ分だけお給料になるんだぜ。

 

明日は用事があるかもしれないね。

10/31-11/4はバッキンガムのすぐ上、シアター711でハイバネカナタ『モザンビークス熱情!』という舞台があるぜ。みんなが観に来てくれた分だけお給料になるんだぜ。

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流石に1ヶ月を切っているとお仕事を休めないかもしれないね。

12/9は花まる学習会王子小劇場でguizillen特別本公演『5さい』オープニングセレモニーがあるぜ。1ヶ月続く公演(小劇場ではまずありえない)の開催を祝うお祭り的なイベントだけれど、この日のためだけに90分の演劇のお稽古をするんだぜ。これは来た分だけお給料になるやつかわからないけど、来てくれたら嬉しいぜ。

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師走は忙しくてそうそう休めないかもしれないね。

12/28-12/30は上述のguizillen『5さい』の中の佐藤辰海演劇祭にハダカハレンチ『ゼラニウム先生(仮)』で出演するぜ。みんなの投票次第で作品賞70万円とか俳優賞10万円がもらえるぜ。逆に言うと賞がもらえなかったらノーギャラになっちゃうんだぜ。私にとっての年末ジャンボだ。

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言いたいことはこれで全部!!素敵な舞台俳優になるよ。

そんなことより、生きたいなら生きたいなりに、

死にたいなら死にたいなりに、ちゃんと人間か?

目が眩むほど、真っ赤に真っ赤に、ちゃんと人間か?(例えばヒロ、お前がそうだったように/竹原ピストル

 

 

オーディション落ちたのが激悔しい井本です。

落ちたことくらいは当然あるけど普通に落ちたんじゃなく「ギリギリまで悩んだけど今回は無理でした」的落ち方だったのが死ぬほど悔しい。

 

他の人の合否出てる中でホントにギリギリまで結果が来なかったから、向こうも本当に真剣に悩んでいたのが伝わってますますますます悔しい。

もう少し面白かったら無理矢理にでも出そうってなったのかな〜とか思っちゃってるし、「上手い人を落とすことがあるのが難しいところ」って言うってことは下手でも受かるんかいとかクソダサ人間の思考しているし。

 

誰のことも恨んじゃいないけど、自分への悔しさ的なアレがすごくて全然気持ちの整理がつかないよ。愛する女が受かったのでそれをマジのガチにお祝いして応援している、でもそこにいられなかった自分、そういうことにずっと躓いている感じ。

 

演劇は難しいな〜、スポーツと数学以外はなんでもそつなくこなしてきたけど、演劇は正解がないからな〜。

 

最近稽古してても思うけど、天才と秀才があるからね。天才が壊していくような壁を、私たちは試行錯誤を高く積み上げて乗り越えるしかないからね〜。がんばろうね〜。

そういう苦しみはたまに報われるからね〜。バリバリ第一線の監督である武藤さんに天才って言われた時、マジで鼻の穴膨らんだよ。

だから今回も苦しい稽古だけど絶対諦めないぞと決めました。今。今日稽古場向かいながらずっと降板のこと考えてたのはヒミツ!

 

天才でないすべてのひとたち、辛酸舐めながら生きていきましょうね、次は無理にでも出してもらお〜っと!オヤスミ!